2017-02-02

自分史上(たぶん)最大の謎・絵画編



絵を眺めるのが割と好き。でも眺めているだけなので、謎に感じたことがずっとそのままだったりする。

これまでに抱いた自分史上最大の謎は、マネ『草上の昼食』の元ネタにかんするそれ。学生の頃、たまたまこの作品の資料をいくつか見たら、どれもそろってこんな風に解説していた。

作品の背景に描かれている森林はティツィアーノ(ジョルジョーネ作とも言われる)の『田園の合奏』に、作品中の手前の3人の人物の配置は、1515年頃にマルカントニオ・ライモンディ(Marcantonio Raimondi)によって制作された、ラファエロの『パリスの審判』を基にした銅版画に、それぞれ由来する(出典wiki


で、わたしには、マネの絵の背景が『田園の合奏』に由来するという解説が「え?」って感じなんです。だって、まずぱっと見がぜんぜん似ていない。さらに、そもそも背景を含めて『草上の昼食』そっくりの絵が、ヴァザーリの家にちゃんとある。

アレッツォを訪れたのはかなり昔ゆえ、寸法はうろおぼえなのだけれど、たしか2号から4号くらいだった気が。作者は不詳。肝心の内容について述べると、3人の人物が『草上の昼食』よろしく中央に配され、その部分のみ明るいのも同じ。周囲を暗い樹木が囲んでいるのも、空気感も同じ。唯一違うのは作品のトーンで、マネの緑に対しヴァザーリの家にある方は深紫がかっていた。

ティツィアーノ&ラファエロ説を信じていた当時のわたしの、その絵を見つけたときの衝撃といったら。『草上の昼食』は名画の聡明なコラージュではなく、すでに存在した小品のヴァージョンアップだったんだ!と本気で叫んだくらい(心の中で)。

なぜ研究者はあの絵に言及しないのだろう? この長年の疑問に答えてくれる知り合いがいないのが本当にざんねん。