2017-02-09

春の虫



さいきん家のなかでちらほら虫を見るので、ん、春だな、と思う。

虫は、落ちついた心でむきあうと素敵。ただ本気でかかずりあうと一生を棒に振りそうなので、彼らのことはほどよく意識の外において生活するようにしている。で、実際そうできるということは、わたしは虫を愛する才能に欠けているのだ。

わたしの義理の母には虫愛づる君の素質があり、ごきぶりをガラスの容器に入れてデッサンしたりする。以前そのスケッチブックを見せてもらったときは、ほんとに御器をおかぶり遊ばされたような立派なあたまでいらっしゃった(じぶんの大きな勘違いに気づいた今でも、そう思う)。

背もたれとあらば凭れる日うらうら  長嶋有