2017-04-07

ほんのちょっと思っただけのこと。


庭というのは、一年を通じて、なにかしらのしょぼくれた樹木や草花に覆われている。ことに花は瑞々しく咲いている時間よりも腐ってゆく時間の方が長い。だから庭づくりのときは腐朽をいかに美しく見せるかを考えることが大事だ(それを庭のイメージの中心にもってくると、庭遊びがよりスムーズに運ぶ)。

昔、夏の終わりのアルハンブラ宮殿を訪ねたとき、掃除のゆきとどいていない中庭の欠けたモザイクタイルが、時間と日射しとに負けて古色蒼然となった植物をひどく輝かしめているのを目にした。ああ、朽ちた命がなお清らかに輝く空間ってこんな風につくるんだ、とその時わたしは思った。

存在の家に褪せゆく馬酔木かな  夜景