2017-10-21

宇宙間について・中編


きのうの「松井真吾さんの句から現代川柳を連想した」件。これは多分に感覚的な話(それゆえ言語化するのが億劫)なので詳細は省くけれど、たとえばこんな波長のもの。

初夢のあいだあいだのコマーシャル  松井真吾
涅槃図のトムはジェリーを追いかける  〃
秋の蚊の想定外のテレパシー    〃

一句目は「初夢」から入って「コマーシャル」に着地するという発想が素敵。「あいだあいだ」という繋ぎ方も、全体の音の張りもいい感じ。

二句目は季語がぴったり。トムとジェリーの図像を涅槃図に落とし込むといったアイデアは、現代アートにもなりそう。

三句目は「想定外の」がキモ。句が躍ってる。こういった、一歩間違うと説明オチになりかねない微妙な表現を、巧みに使いこなすことで生じる愉しさ。

あ、あとこの句集、異様な速度を詠んだ句が多すぎるところもヘン。

ひとり居の父雛壇を駆け登る  松井真吾
雨乞いの校長廊下を駆けてゆく  〃
お客様転落のため夏終わる    〃

こうした風景もまた、松井さんよる世界認識の、制御しがたい遠近&重量感覚から来ているのだろう。