2018-05-07

古屋翠渓『流転』1941-1942



ふと「洋書の扉ってどんなレイアウトになってたかしら」と思い本棚をしらべる。中央揃えは胸のあたり、右揃えは高さいろいろ、左揃えはてっぺんに活字が配置されていた。うん、いろいろあるな、と思う。

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古屋翠渓『流転』の目次。

・流転……1941年(昭和16年)→ 1945年(昭和20年)
・戦後……1947年(昭和22年)→ 1957年(昭和32年)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
・戦前……1941年(昭和16年)← 1926年(昭和元年)
・大正時代……1925年(大正14年)← 1912年(大正元年)
・附、明治時代

矢印の使い方がおもしろい。時間構成もざっくりとしていい。巻頭句はこれでした。

戦争になつたのかもう私を捕へに来た


1941年に書かれた句は「垣をこぼるゝ花の我家で」に引用があります。1942年は移民局へ回され、大陸送りになった年。3月1日サンフランシスコ港、エンゼル島、3月5日ネバダ州、ユタ州、ロッキー山脈、中部地方、3月9日ウイスコンシン州、5月テネシー州、6月30日ルイジアナ州と流転したみたいです。


護送車から見ても見ても家族は見えない

朝日へまつ白になつた洗濯を干す

雪の中自分の寝るベツドをかつぐ

雪につつまれた小屋の中で賛美歌をうたふ

木が芽をひらく小鳥が鳴く時は過ぎ行く

花の香おくりくる風のどこかへ移動とか

青葉の風の長い手紙をかく

囚われの身が奏でる楽器のない音楽にて

秋が一夜にもみぢしたガムの木に来た

はるばる送られて異郷の空の三つ星