2018-10-18

砂漠の花



小学6年生のときに習った教師は長いことアブダビに暮らした人で、授業の終わりに毎回5分ずつ、アラビア語の会話や読み書きを教えてくれた。会話はほとんど忘れてしまったけれど、アラビア・インド数字は、さっき試しに書いてみたら、まだ手がおぼえていた。

折にふれ、教師は砂漠の生活を語り、手製のスライドを映写機にかけた。そして「砂漠の砂は7色でした。ペルシャ人やアラブ人の目には、もっと多彩かもしれません」と言い、砂をつめた何本ものフィルムケースを子どもたちに見せた。初めてのアラブの砂。全部の色を並べてみると、音のように賑わしかった。

と、こんなことを思い出したのは、たまたま通りがかった場所に砂漠の薔薇が売られていたから。このミネラルの結晶が形成されるのは、かつてオアシスがあった場所だけらしい。



水あればこそ生れるとふ沙漠の薔薇 花弁のかげのひとつぶ。涙

みずあればこそ あれるとう デザート・ローズ
かべんのかげの ひとつぶ。なみだ


the desert rose
is born from minerals
in the water
of a lost lake in a desert
it hides in petals one teardrop
- snowdrop -


余話。こちらでは砂漠の薔薇(rose du désert)はバオバブの花を指し、鉱物の方は砂の薔薇(rose des sables)と言います。バオバブは盆栽でも人気の樹木。わかる。幹、すごいですもんね。