2019-04-15

パングラムの午後





近所の教会。もうすぐ花粉の季節に入るオリーヴの木の下でつかのま休憩する。

とりなくこゑす ゆめさませ
みよあけわたる ひんがしを
そらいろはえて おきつへに
ほふねむれゐぬ もやのうち

鳥啼く声す  夢覚ませ
見よ明け渡る 東を
空色栄えて  沖つ辺に
帆船群れゐぬ 靄の中

元祖いろは歌はあまりに厭世的ということで、昔から様々な改作が試みられてきました。上の坂本百次郎作は春にぴったり。春眠と暁、鳥と夢、東、靄と明らかに季を意識していますよねこれ。下はより当季に合う竹本健治作。

路面落ちぬる 花さへも
寂寥を寄す 我が胸に
今聲絕えて 脅威見ゆ
空の星撞く ビリヤアド

ろめんおちぬる はなさへも
せきれうをよす わかむねに
いまこゑたえて けふゐみゆ
そらのほしつく ひりやあと