2020-04-02

春のお稽古



いい天気。窓をあけていると、近所の人がトランペットでBut Not For Meを練習している。ふだんは芝生で吹くのだけれど、今日はベランダでの音出しっぽい。曲が終わると、どこからともなくまばらな拍手が鳴る。

* * *

snowdropさんのブログにピアノを奏でる春の短歌があった。


この春は重き屋根あけ棒を立て奏でてみたし「巡礼の年」  snowdrop


InventionBWV773の黒鍵音符に印をつけ先生から「花見の如し」と咲はれたる思ひ出を詠める

お花見のやうな幼(をさな)のインヴェンション♭(フラット)かこむうすべにの 〇(まる)  snowdrop

Invention No.2
in my childhood
with pink marking
around the notes of black keys
like cherry blossoms in full bloom

いつもながら羽の生えたような雰囲気。インヴェンションと聞くと子どものお稽古風景が思い浮かぶわたしとしては、とても居心地の良い歌でもあります。

(4月5日)質問があったので追記。このピアノはエラール社のもので、大屋根の裏側のヌードはポール=アルベール・ベナール作です。ごくたまにエラール・ピアノの夕べが催されます。