2021-11-22

生存報告系個人誌『九重』創刊。





佐藤りえさんの個人誌『九重』が届いた。この栄えある創刊号に連作「ぼくの伯父さん」とエッセイ「アパルトマン雑感」を寄稿しています。りえさんいつもありがとう(涙)。11/23の文学フリマ東京にてH2O企画さん〔ソ-01〜02〕委託で取扱いされるそうです。同時刊行の空想科学俳句集『ぺこぽこ宇宙(ユニバース)』もかわいいので、文フリに出かけるみなさん、どうぞ実物を見に行ってね。


このエッセイには「さいきん無気力だ」などと書いてあるのですが、原稿を出してゲラが上がってくるまでの間に病気が判明して、無気力どころではなくなってしまった。いまはめっちゃぎらぎらしてる。目が。肉体の痛みと戦っているせいで、気力がめらめらと燃え盛っているらしい。早く手術したいのだけど主治医が「腕のいいスペシャリストにやってもらった方がいい」とわざわざ別の医者に回してくれて、いまは順番待ちの状態。命に別状のない病気で、待っている間は投薬治療でしのぐしかなく、寝たきり。

2021-11-11

言葉と恋と肉体



さいきんは朝起きると「あ。今日ブログ書けるかも」と思うのですが、歯を磨いたり顔を洗ったりしているうちに無理になってすぐ横になる、といった日々です。

横になってじっとしているといろんなことを思い出します。「どうして自分はこのような人間になったのか?」といった問いにまつわるいろいろなこと、をです。

とつぜんですけど、本の作者に会ってみたいと思ったことってありますか?

わたしはあります。

空海。菅原道真。小池純代。その人の書いた本が孤高であればあるほど会いたい欲求が高まる。あれってどうしてなんでしょう。会って楽しいことなどひとつも期待していない、むしろ本人はあらゆる意味でひどい人かもしれないと覚悟すらして、にもかかわらず会いたいのは。

わたしの場合、会いたいという気持ちの源はシンプルにいって恋です。わたしは小池純代さんにお会いしたことがあるのですが、会ってなお恋心は冷めず、むしろますます深まり、いまでは反故の一枚まで拾い集めて読みたいほどに。

そこに書かれた言葉が、壊れてしまう肉体から生じたものであるということが、せつなく愛おしい。そのせつなさと愛おしさを噛みしめたいのでしょうか。

* * *

冬泉さんがわたしの連作「オンフルールの海の歌」の全句に脇をつけてくれました。冬泉さんの書くものって学芸全般に通じている人のかもしだす豊かな華がありますよね。画像は羊我堂さん作。すごく上品で香水のラベルみたい。お読みいただけましたらとても嬉しいです。

蓮喰ひ人ねむるや櫂のない小舟
うつらうつろにうつるうつせみ