2022-02-02

【固定記事】新刊予約受付中。



拙著『漢詩の手帖 いつかたこぶねになる日』の予約注文受付中です。ご予約分は割引価格、さらに本書未収録の一篇を折本にした『まだたこぶねじゃないある日』をもれなくプレゼント。そのほか著者からの贈物のついたスペシャル・プランも(写真は装幀データを帯ごと印刷して別の本に巻いた"モデル"です)。
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2020-09-27

風の強い日曜日





さきほどクラファンの予約注文ページを見ましたら、達成率95パーセントになっていました。みなさま本当にありがとうございます。拙著『いつかたこぶねになる日』ご予約キャンペーンは10月23日までです。引き続きよろしくお願い申し上げます。

ところで今回のキャンペーンは版元が行っており、小津はご予約下さった方の氏名を一切把握しておりません(本名表示の方以外)。もしもご予約下さった旨を小津に知らせたいという方がいらっしゃいましたら、ブログ右上(スマホでご覧の方は画面一番下)のABOUT THIS BLOGからメールいただけますと幸いです。

さて『いつかたこぶねになる日』の進行状況なのですが、ここ一ヶ月近く原稿の直しをしていまして、きのうやっと「まえがき」と「あとがき」を書き終えて  いつも思うんですが「まえがき」と「あとがき」ってなんであるんでしょう? 必要なくない? いや必要か。もしもルソーやカントの本に前書きがなかったら、笑いの量が減って寂しいですもんね  ぐったり、今日はもうしばらく漢詩の話はしたくないってくらい疲れているところです。よかったことといえば、あとがきを書くためにずっとタコのことを考えていて、その人生を擬似体験できたことくらいでしょうか。擬似体験したタコの人生はすばらしかった。すばらしすぎて、感極まって泣いてしまいました。けれどもタコには涙の意味などわからないでしょう。ぬるぬるしているのは肉体だけ、彼らの世界は最高にクールですから。

2020-09-23

アドリアーン・クーネンの描く鯨



今日はすみわたる秋空。とても涼しくて、海で泳ぐのは無理そう。美しいものを、ただ遠くにながめる生活に戻ってしまった。

* * *

アドリアーン・クーネン『魚の本』ですが、なんとWikimedia Commonsにありました。で、順番に眺めたところ、相当博学な人物だったことがわかりました。

これは『鯨の本』の表紙。『魚の本』から4年後の1584年刊。横長の図鑑です。
岸につらなる赤い丸は船着場。ひとつひとつに名前が付されています。こういった俯瞰図をいっぱい描いているのです。
見開きで描かれた鯨。夢のような色彩だなあ…。

古日傘ほのめき勇魚いづこかや

日の泡は更へし衣のうつほにぞ

かつてこの入江に虹といふ軋み

青岬いさなを永久に枕くといふ

上はそのむかし詠んだ鯨の情景。よし決めた、この秋は鯨に捧げる長編俳句を書こう。わくわく。

2020-09-21

アドリアーン・クーネン『魚の本』その2



眺めれば眺めるほど素敵な魚類図鑑なので、あと何枚か部分画像をアップします(前回分はこちら)。

これを見ると『鯨の本』も欲しくなります。絵を知らない人の空間把握では全くないので、クーネンは漁師だったころから絵を嗜んでいたのでしょう。漁港スヘフェニンゲンの文化状況が偲ばれます。
貝殻はいつも夢のよう。ペン先で生み出す陰影に良い香りが籠もり、額装部分のまるみもこの人だけに波を彷彿させます。
いくら魚にくわしく、また絵が好きだったにしても、わずか数年でこれだけの精密な絵を描きためたのはすごい。
魚釣りの描写もありました。明日につづきます。

わたしは大股で海の中を歩き出した





きのうの海は曇り空で、今年最後になるかもしれない海だった。今日から一週間ニースは雨なのだ。雨が終わったら完全に秋かもしれない。だから真剣に泳がねばならなかった。

ところが低気圧の荒海で、泳いでも泳いでも前に進まない。これではいけない。そう思ったわたしは大股で海の中を歩き出した。うでとあしを大車輪のように動かし、波にのまれるたびに起き上がって、「さようなら!さようなら!」と大きな声を出しながら、海の中をどこまでもどこまでも歩いた。

家人は、あまりにも遠ざかってしまったわたしの影を眺めて、いったいなにをしているのだろうと訝しんでいたらしい。

海からの帰りしな、わたしが「さようなら!またいっしょに遊ぶその日まで!って海の中でなんども叫んだんだよ」というと「海は明日もそこにあるのに」と笑われた。

こうやって日記を書いていても、もう今年の海は終わったかもしれないということが信じられない。

2020-09-20

アドリアーン・クーネン『魚の本』



仏題は《Livre de poissons 1580》。たこぶねの表紙に惹かれて購入したら、内容もすばらしい本でした。1580年刊。

アドリアーン・クーネン(Adriaen Coenen)は漁港スヘフェニンゲンの漁師で魚屋も営んでいたオランダ人。63歳のときに彼が出会ってきた魚の特徴をまとめようと思いたち、1577年から1580年にかけて水彩で描きためていったのだそうです。登場するすべての生き物が、手描きの額装で飾られています。
漁師ならではの詳細な解説は、16世紀の北海の漁業活動の情報源として参考にされているとのこと。
砂浜の生き物と海の帆船。わお、夢のようではありませんか!
漁師。自画像かしら。髭もおしゃれ。
くじら。クーネンの鯨の絵ばかりを集めた"The Whale Book”という本が出ているのを発見。欲しい。
原書は410ページなのですが、この本は62ページしかありません。
こちらに何枚か、未見の絵がありました。
COLLECTIONS / IMAGES Adriaen Coenen's Fish Book (1580)