2022-08-30

時差ボケからの脱却





28日の夜はニースの花火大会。音が鳴り出すやいなや、いてもたってもいられなくなって、海まで走っていった。日本人の感覚からするとたいした花火じゃない。玉のデザインも打ち上げの順番も素朴だし、なによりそれほど高くあがらない。でも良かった。ものすごく。で、わたし、花火が好きかもしれない、と思った。いや、かもしれないではないのだ。わたしは花火が好きだ。おまえを愛している。この夜、それにはっきりと気づき、泣いた。

30日は新しい句集のzoom打ち合わせ。七転八倒だった句集のタイトルは担当者に褒められ、これで確定ということに相成った。それから装幀の候補も決まった。どうか先方がお引き受けくださいますように。

現在発売中の『ねむらない樹 vol.9』に、佐川ちかにかんするエッセイを寄稿しています。文章を書くときって、仮にスペースが10だったとしたら、内容は7くらいの盛り付け具合にみえる書き方が個人的には好き。でも今回のエッセイは枚数的にきつきつで、ええい、しょうがない、と12くらい盛った。

画像は帰省した折の一枚。ミスドが大好きなのに、なかなか行く機会に恵まれず、今回20年ぶりに食べたのですけれど、いやあ知りませんでした、ポン・デ・リングなどというすばらしきものがこの世には存在していたんですね。しかもこの可愛いカップはなんですか! 気に入りすぎて、実家にいるあいだ毎朝通ってしまいました。

2022-08-19

時差ボケ日和 13





北海道を発ち京都に来ている。写真は『いつかたこぶねになる日』に登場する、たぬきのいた(現在いるのかどうかは知らない)公園。仕事帰りに蛤御門前にあるとらやで「雲居のみち」をひとつ買い、それを食べながら帰るというのが当時の生活でした。


お知らせ2つ。『澤』8月号に年間句評を寄稿しています。あと本日発売の『週刊読書人』に渡辺祐真/スケザネ*小津夜景『物語のカギ』(笠間書院)刊行記念の対談が掲載されています(この対談、9/1までアーカイブ販売中です)。


2022-08-10

時差ボケ日和 12





8月5日は歌人のSさんと東京駅のトラヤカフェでランチを食べ、そのあと東京ステーションギャラリーで展覧会「東北へのまなざし1930-1945」を観る。8月6日は脚本家のNさんと夫の三人で神楽坂の九頭龍蕎麦で昼飲みコースを食す。写真はその折のデザート。それから北海道に入り、ブログも書かず、へとへとの身体に鞭打って、ここ数日かなり追い詰められた状態で句集に取り組んでいる。しかしまったく進まない。タイトルが思いつかなくて困っていますと現在京都にいる夫にメールしたらすぐ返信が来て『白うさぎのマンボ』はどう?との案を出してくれる。うーん。

季刊アンソロジスト夏季号が発売されています。私は「存在のためのふわふわした組曲2」として「夢擬的月花的」を寄稿しました。読み方は「ゆめもどきてきつきはなてき」です。

2022-08-05

時差ボケ日和 11





8月3日は源吉兆庵のマンゴーゼリーとコーヒーで朝食。そのまま掃除も洗濯もせず散らかった部屋のまま句集の直しをする。午後からTさんにお目にかかるはずが突然のご病気ということで郵便局に行ってお土産を郵送する。夜は俳人のKさんほかと荻窪で待ち合わせ。Kさんは5人も人を集めてくれ、その内のTさんからは可愛い花束をいただく。連れて行ってもらったのはさいきん俳人の方がオープンしたという屋根裏バル鱗kokera。店内には短冊や句集がいっぱい。席についたとたん、アルバイトとしてカウンターに入っていたフリーの編集者の方から「あ、もしかして『たこぶね』の人ですか!」と声をかけられびっくりした。

8月4日の朝食は無印良品のバームクーヘンとコーヒー。句集を直していると某新聞社から7000字近くあるゲラが届く。夜は東海教育研究所の編集者Kさんと新宿の車屋別館で会食。あらためて『なしのたわむれ』の元となった連載のお礼を言い、マッチ箱ラベルの小さな手作り本を頂戴する。

2022-08-02

時差ボケ日和 10





朝食はきのうと同じけーくしとろんとコーヒー、そしてサウスアベニューのアイスジャスミンティー。午前中は原稿を書き、昼食は俳人のRさんと池袋の銀座洋食三笠会館で落ち合う。食後はカフェに移動して句集づくりの相談をしたり、Rさんの個人誌の特集について話し合ったり。

夕方には夫とブルーノート東京へ。ここは東京で一番心身ともにリラックスできる空間だと思う。かなり早めに席について軽く食べ、ソファに座ってジュースを飲んでいたら旅の疲れがすーっととれた。オルケスタ・デ・ラ・ルスの演奏もよかった。

ひとつお知らせ。先日のスケザネさんとのトークイベントのアーカイブ動画は現在こちらのページで販売中です(9月1日まで)。見逃した方、ぜひぜひどうぞ。

2022-08-01

時差ボケ日和 9





朝食は大三萬年堂HANAREのけーくしとろんとコーヒー。掃除洗濯をすませて午前中は句集の直しをする。午後2時に素粒社のKさんと神保町で待ち合わせ。本日は書店回りである。1店目は東京堂書店。太いペンがあったのでとても大きくサインを書く。2店目の丸善丸の内本店では、担当のSさんと『プリズナーNo.6』の話をしながらサイン本づくり。3店目はジュンク堂池袋本店。漢詩の本を刊行からずっと面出しで置いてくださっているとのことで恐縮しながらサインを書き、帰りはコメダ珈琲でアイスティーをのむ。

ところで『いつかたこぶねになる日』に出てくる話は実話なのか、それとも創作が混じっているのかと稀に質問されるのだけど、出来事についてはどれも実話である。最近も同じ質問をされたので実話ですよと答えたら、「え〜北方領土から教育実習生が来るんですか、ほんとに!」と驚かれてしまった。この手の話は面倒臭く考えればいくらでも面倒臭くなる。が、事実だけを語れば、私の通っていた高校には北方領土から教育実習生だけでなく留学生も来ていた。私自身は一緒のクラスになったことはないけれど、1991年に起こったソ連8月クーデターのときは留学生の子たちが「政権が変わったら、このままおうちに帰れなくなるかも…」と心配そうにテレビを見ている写真が地元の新聞に載っていたのを憶えている(その4ヶ月後にソ連は崩壊した)。