2022-02-21

【新刊】『なしのたわむれ』をめぐるあれこれ





ヴィオラ・ダ・カンバ奏者須藤岳史さんとの共著『なしのたわむれ 古典と古楽をめぐる手紙』(素粒社)が3月23日に発売されます。

大きさは四六判。装丁は平凡社STANDARD BOOKSでおなじみの重実生哉さん。おまけつきの予約情報など、また追ってお知らせします。

『なしのたわむれ』は東海教育研究所のウェブマガジン「かもめの本棚」に連載した往復書簡が元になっています。「手紙か、興味ないな」と思ったあなた。安心してください。手紙といってもそれぞれが独立したエッセイとして読める体裁にしてありますゆえ。また「連載中に読んだよ」というあなた。この本の加筆修正は半端じゃありませんよ。ばんばん大鉈振るってます。小津のパートに至っては大鉈を振り回しすぎて、100%新作エッセイになってしまったものもひとつやふたつじゃありません。そんなわけでご覧いただく機会がありましたら幸いです。

ところで、今朝ひさしぶりに会った人に『なしのたわむれ』の装丁を見せたら「タイトルはなんていうの?」ときかれたんです。それで「無のゲームだよ」と教えたんですが、そこにまた別の人がやってきて同じ質問をされたので、今度は「梨のジュースだよ」と答えました。この装丁だったら「梨のジュース」でも間違いじゃないな、と思って。
 
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目次(◆は小津筆、◇は須藤筆)
はじめに◇



第1信 ◆ きらめくらくがき
第2信 ◇ 耳は意味を探してしまう
第3信 ◆ なしのたわむれ
第4信 ◇ 辺境への誘惑
第5信 ◆ ことばはこばと
第6信 ◇ 音のこどもたち
第7信 ◆ ありやあらずと
第8信 ◇ 詩と道と
第9信 ◆ 存在の青い灰
第10信 ◇ 片隅と世界と
第11信 ◆ ゆめにめざめる
第12信 ◇ この地上で



第13信 ◇ 日曜日の午後の軽い手紙
第14信 ◆ 文(ふみ)と不死
第15信 ◇ うちのそと
第16信 ◆ ふわふわふうみ
第17信 ◇ 未来を読むこと
第18信 ◆ ものがたりのはじまり
第19信 ◇ 隠された接続詞
第20信 ◆ みえないたくらみ
第21信 ◇ 間の呼吸
第22信 ◆ わたしのあだしの
第23信 ◇ 限りない広がりと空白
第24信 ◆ ふりだしにもどる

おわりに◆
おもな引用・参考文献


『なしのたわむれ 古典と古楽をめぐる手紙』
著者:小津夜景・須藤岳史
装幀:重実生哉
定価:1,800円+税 本文ページ数:232 寸法:四六判
発行所:素粒社 2022年3月23日刊行


2022-02-13

未来が楽しみな土曜日





土曜日、病院に行って驚いた。手術までしたのに血液検査の結果が少しも改善されていないのである。なんか変だなあと思いながら暮らしていたけどやっぱり変だったのだ。医者は、そんないきなりは良くならないよ、ちょっとずつだよと言う。なるほど。楽しみに待っていよう。

「週刊俳句」第773号に表紙と小文を寄稿しています。それから2月26日にスケザネ図書館の1周年記念放送に生出演します。変なことを口走るかもしれませんが、ご覧いただけますと嬉しいです。

2022-02-08

近況日記



とうとう今朝、新刊の直しが終わった。ブログ書きたいなあと思っていたのが、やっと書けてうれしい。


ポリネシアの友達が魚屋さんの写真を送ってくれる。奥にいる魚の顔がいい。アカマンボウだそうだ。


ウィキをみると、アカマンボウは深海に棲む温血魚と書いてある。しかも魚類で唯一らしい。本当なのかしら。血があったかいから、深海でもすいすい泳ぐらしい。さらに驚いたのはアカマンボウがマンボウじゃないってこと。こんなぷっくりしてますのになんでちがいますのん。

昨日、楳図かずおの展覧会が開催されているとの報が届く。まじか。わたしはこの世界に楳図かずおより好きな人がいないってくらい彼が好きなのだ。なんど読み返しても、画伯の霊感がわたしの脳を貫通する。いいな、いいな、観に行きたいな、と思いながら眠りについたが、夢の中で楳図かずおに逢えるという奇跡も起こらず、あろうことかわたしは荒井注と昭和30年代のはとバスに乗り、雨の東京を見物しながら、井原西鶴の話なぞをしていたのだった。

切腹はたてからひいて横霞  井原西鶴