2023-11-04

奇跡のように軽やかで





ブログを更新しないのはさぼっているのでは全くなく、12月刊行の本の直しが佳境で深刻なまでに時間の余裕がないからだ。ゲラは直され直されて、すっかりもとと別の作品になっている。もともと直しが多いタイプであるのに加えて、最初に内容の見通しを立てられない本(書きたくないことを書くのでどこまで掘り下げられるか不明)だったので、どうしても最後にしわ寄せがくる。さっき友だちが「本、進んでますか?」と連絡をくれたので泣き言をいった。そしたら「だいじょうぶ、だいじょうぶ。真っ赤なゲラなんて普通だよ」と励ましてくれる。

今週は著者インタビューを2社のメディアから受けた。素粒社の『いつかたこぶねになる日』が新潮文庫になったから。そう、なったのだ。ブログで告知したかったのに、はっと気づいたときには刊行されてしまっていた。帯文は江國香織さん。解説は永井玲衣さん。そして装画はguse arseさんで、地中海の波、貝殻、陶器、古代の宮殿など、さまざまなイメージが目に浮かぶデザイン。こんなのありえる?ってくらい奇跡のように軽やかで、じーんと感動してる。