きのうの「松井真吾さんの句から現代川柳を連想した」件。これは多分に感覚的な話(それゆえ言語化するのが億劫)なので詳細は省くけれど、たとえばこんな波長のもの。
一句目は「初夢」から入って「コマーシャル」に着地するという発想が素敵。「あいだあいだ」という繋ぎ方も、全体の音の張りもいい感じ。
二句目は季語がぴったり。トムとジェリーの図像を涅槃図に落とし込むといったアイデアは、現代アートにもなりそう。
三句目は「想定外の」がキモ。句が躍ってる。こういった、一歩間違うと説明オチになりかねない微妙な表現を、巧みに使いこなすことで生じる愉しさ。
あ、あとこの句集、異様な速度を詠んだ句が多すぎるところもヘン。
こうした風景もまた、松井さんよる世界認識の、制御しがたい遠近&重量感覚から来ているのだろう。
初夢のあいだあいだのコマーシャル 松井真吾
涅槃図のトムはジェリーを追いかける 〃
秋の蚊の想定外のテレパシー 〃
一句目は「初夢」から入って「コマーシャル」に着地するという発想が素敵。「あいだあいだ」という繋ぎ方も、全体の音の張りもいい感じ。
二句目は季語がぴったり。トムとジェリーの図像を涅槃図に落とし込むといったアイデアは、現代アートにもなりそう。
三句目は「想定外の」がキモ。句が躍ってる。こういった、一歩間違うと説明オチになりかねない微妙な表現を、巧みに使いこなすことで生じる愉しさ。
あ、あとこの句集、異様な速度を詠んだ句が多すぎるところもヘン。
ひとり居の父雛壇を駆け登る 松井真吾
雨乞いの校長廊下を駆けてゆく 〃
お客様転落のため夏終わる 〃
こうした風景もまた、松井さんよる世界認識の、制御しがたい遠近&重量感覚から来ているのだろう。