2023-08-15

今日はこんなふうに読もう





告知が遅れてしまいましたが、女性誌『Precious』9月号のファッション大特集「愛すべきシャツに出会って秋が始まる」にエッセイを寄稿しています。俳人ならではの視点で、とのことだったので、その切り口からジョージア・オキーフを語ってみました。あと『すばる』連載中の空耳放浪記もあいかわらず続いております。今月号は、ハリネズミ師匠の指導の下、助動詞づかいの訓練をした話をお届けしております。

それはそうとですね、本を読んでいると、つくづく「わたしは遅読派だなあ」と思うんですよ。文章というのはリズムだから、理解するためにはテンポを外さず、それに乗っかっていく方が、ゆっくり読むよりも内容がつかまえやすいという話はたしか前にも書いたことがありますが、にもかかわらずゆっくり読むのは、言葉の並びや息づかいなんかを、好きな曲の数小節をリピートして聴くみたいに楽しみたいからなんですよね。つまり読書の醍醐味を、読み直すことに見出しているわけです。昨日はあんなふうに読んだから、今日はこんなふうに読もう。そうやって、読み方を、日によって変えてみる。スカーフの巻き方を、日によって変えるみたいに。