2023-09-10

あんペーストのおいしい召し上がり方





土曜日、日本から来た知人と遊ぶ。

朝10時にマセナ広場で待ち合わせ、広場を抜けて海へ出る。海を眺めた後は城跡のある丘に登る。高い丘から見下ろすと、日曜日に開催されるアイアンマン世界選手権の練習をしている選手たちが、サメから逃げているのかと思うくらいのスピードで泳ぎの仕上げをしていた。

昼食後は旧市街で三つの教会と、現在楽器博物館になっているラスカリ宮を巡る。ラスカリ宮で見知らぬ男性に声をかけられる。相手は作曲家で、日本で仕事したときの写真を見せてくれる。そのあとニース近現代美術館で常設展とThu-Van TranのNOUS VIVONS DANS L’ÉCLAT(我々は閃光の中に生きている)を鑑賞。丁寧な思索が感じられる仕事だった。

日曜日の朝はコーヒーと、知人からの手土産であるとらやのあんペーストをパンに塗って食べる。箱の中に入っていた「あんペーストのおいしい召し上がり方」という紙が、ちょうど小さな名刺くらいの大きさで、写真のレイアウトが可愛らいので、しおりにすることにする。夫は隣町の方角へジョギングしに行った。わたしは今から某俳誌の原稿を書く。

季刊アンソロジスト第6号発売されています。連載中の「存在のためのふわふわした組曲」、今回の掌編タイトルは「夜を知る」です。