エスプレッソマシンは私には向いていなかったかもしれない。カフェだと、シュッ、ガッチャン、ポタポタ、シャッという音とともに、コーヒーがすぐ出てくるが、家ではそうはいかないのだ。豆量、温度、圧力、時間。考えなくちゃいけないことが多すぎる。マシンに手をかけているうちに、あっという間に時間が過ぎる。自分でお湯を沸かして、豆を挽いた方がずっと早い。
新連載の原稿を送った。書いては直し、書いては捨てた。迷いながら書いた。こんなふうでいいのだろうかと考えながら、でも、書き終わった。反故がいっぱいでた。短歌もまぎれている。
マカロンの、レモンクリームの、ほろ苦かった思い出から生まれた歌。類想があるかもしれないな、とぼんやり考える。
新連載の原稿を送った。書いては直し、書いては捨てた。迷いながら書いた。こんなふうでいいのだろうかと考えながら、でも、書き終わった。反故がいっぱいでた。短歌もまぎれている。
金盤の月をひとつぶ頬張れば甘さ苦さのあはひに落ちる
日は流れ影は薄れてわたくしの齒牙に残れる甘さの破片
誰かへのおみやげだったはずなのにわたしがここで食べている午後
マカロンの、レモンクリームの、ほろ苦かった思い出から生まれた歌。類想があるかもしれないな、とぼんやり考える。