2017-08-30

サイレンの音は、夢の中で荒野を渡る風に変わった。



詩客「短歌時評」に加藤治郎さんの新作「ヘイヘイ」の感想を寄稿しています。短歌について書くのはひさしぶりなので、とても楽しくリラックスして書きました。リラックスしすぎて、筆が作品を離れないようにするのが大変だったくらい。

それはそうと、作品評を書いている最中、最初から最後まで思い出しっぱなしだったのは、

サイレンの音は、夢の中で荒野を渡る風に変わった。

といった秋山晶のコピーが有名なパイオニアのカーステレオ「ロンサム・カーボーイ」のCM。これ、片岡義男がナレーションを担当していたんですよね。小さかったわたしは「120マイルを過ぎると、風の音だけでは寂しすぎる」のヴァージョンは見た記憶がないのですけれど、ユーチューブを調べたら、どうも10ヴァージョンくらい存在したようす。

でもほんと加藤さんの短歌って、ある角度からみると片岡義男に似ていると思いませんか? そう思うのはわたしだけ? それともすでに論文があるのかしら? ともあれ今回の「ヘイヘイ」は冒頭三首で「おおっ!」と興奮させられるし、ライ・クーダーが頭の中で鳴りつづけるしで、とても困りました。