昨日、はたと気づいた。全土封鎖になってから、ひこうき雲をぱったりと見なくなったことを。空港が閉鎖されているのだから当然なのだけれど、あらためて眺めると、この町の空とは思えない。ひこうき雲のない空が。
むかしながらの雲は、ある。
意識の雑音があるとき、雲は不自然なかたちにしかならない。見ようというきもちがないとき、雲はかたちになる。それはちょうど夢の表象が、なにかのかたちであろうとする作用に似ている。なにも思わずとも、かたちの方が、勝手にやってくるのだ。
むかしながらの雲は、ある。
意識の雑音があるとき、雲は不自然なかたちにしかならない。見ようというきもちがないとき、雲はかたちになる。それはちょうど夢の表象が、なにかのかたちであろうとする作用に似ている。なにも思わずとも、かたちの方が、勝手にやってくるのだ。