2021-04-24

架空の島も昏れてゆくのか





いま巻いている歌仙、こんどは雑の短句が回ってきた。前句を見ると匂い付けでいけそう。77はすごく苦手なので、とりあえず何も考えずじゃんじゃんつくり、使えそうなのを3句選んでメールした。今日つくったのは17句(季語あり2句を含む)。

生まれてみれば翳濃ゆき秋
すきまだらけの過去が深まる
かばんにつめるありふれし日は

戸は鳴るたとへ風死せるとも
もつるるままに言の葉を編み
いやますものの影のかずかず

寄木細工の生のじぐざぐ
世界をめぐる劇は終はりぬ
架空の島も昏れてゆくのか

夢咬みながらうたふ貝殻
おいでおいでと濡れ髪のまま
泡をなめたり詩をきざんだり

賽投げられし夜のながれだま 
コルクを抜いて夜をひるがへす
存在と無とポケツトの『城』

きみが梢に結び文とは
なんで光の帆が鳴つてゐる