2023-06-23

旅をした、なにも知らずに。





ボルドー周辺の旅行は10日間にわたった。写真はサン=テミリオンに位置するシャトー・シャンピオンの葡萄畑。8代目となるご主人が家族経営を守り続けている。

葡萄畑と貯蔵室を案内してもらったあと、館内のダイニングルームでワインを飲む。3種類のワインが用意されていた。予約すれば食事も楽しむことができるそうだ。どのワインも折り目正しい風合いで、味が目に見えるようだった。

館内には独立系ワイン生産者の見本市のポスターが掲げられていたため、案内人に尋ねてみた。「このワインはカンヌの見本市でも買えますか?」案内人は申し訳なさそうに答えた。「いいえ、実は北フランスの見本市にしか参加していないんです」。独立系ワイン生産者の見本市については以前、須藤岳史さんとの共著『なしのたわむれ』の第3信で触れたことがあるので、もし興味があればぜひ読んでみていただけると嬉しいです。


サン=テミリオンの街も訪れた。


ものすごく古い。古かった。なにもかも。調べてみたら、ここは中世そのままの風情を持つ村として知られる世界遺産らしい。何も知らずにここまで来たからびっくりした。ヨーロッパ最大規模の地下教会も存在した。石灰岩を掘り進めてつくられた洞窟の中に、さまざまな用途の部屋が広がっていた。