2022-07-24

時差ボケ日和 3





昨日の朝ごはんはロミユニのバターガレット、文銭堂のどら焼き、そしてコーヒー。シャワーを浴び、掃除機をかけ、洗濯物を干し、午前中いっぱいゲラを直す。昼ごはんは自炊。

午後は俳人のHさん、Kさんと飯田橋のCANAL CAFEで待ち合わせ。お目にかかる前は何を話せばいいのかしらと不安だったが、挨拶もそこそこにアイヌについて尋ねられ、アイヌ語講座のこと、チャシのこと、蝦夷錦とシルクロード、私が子どもだったころのイオマンテ、ニヴフやウィルタの戦後補償問題などについて話すといった初対面とは思えない展開に。そこから2時間半、喋りに喋った。Hさんが太極拳をしているというのでいつもながら『拳児』をおすすめし、オタクと詩歌との関係についてKさんから面白い講義を賜る。

夜は神楽坂のてしごとや霽月にDくんとMさんと集合。この2人はパリに住んでいた頃からの友達で一緒に働いていた仲でもある。今思うと信じられないけれど彼らと遊ぶときは毎回かならず徹夜だった。翌朝10時くらいにやっとお開きになるといったパターンだ。なぜあんなにも寝ないで大丈夫だったのだろう。2軒目はふたたびCANAL CAFEへ。デッキサイドで夜風に吹かれながら白桃と桜のジェラートを食しカモミールティーを飲む。丸々とした鯉が藻色のぬるいお堀を漂い、ときおりセクシーに口をあけていた。

2022-07-22

時差ボケ日和 2





朝はコーヒーを淹れ、きのうと同じ塩豆大福を食べる。それからシャワーを浴び、句集のゲラを直し、提案されていた装幀家の中から一人を選んで版元に伝える。句集のタイトルも決めないと…。

昼は自炊し、お茶碗を洗って洗濯物を干してから、集英社のMさんに会うために赤城神社境内のあかぎカフェへ。ここは神社まるごと隈研吾デザイン。さらにお守りのデザインは水木しげるだ。ゲゲゲの鬼太郎がアニメや映画等で映像化されるたびに水木が参拝していた縁らしい。

あかぎカフェでは文章の書き方をMさんから学び、新たな連載のテーマ出しを一緒にやり(現在の連載は今月号でいったん終わります)、若かりし頃の三國清三シェフのエピソードをMさんに伝授する。しばらくすると他部署のYさんがやってきてネタだしに協力してくださる。折ふし世情や本のあれこれ。私がした本がらみの話は奥泉光の小説をデビュー作から読んでいること、さいきんジャン=クロード・エレナ『調香師日記』の影響で香水を変えたことなど。ちなみに写真の香水がそれ。けどまあ香りを変えても中身が一緒だからどうしようもないといえばないのだが。

3時間以上喋り帰宅。今は夫が仕事から帰ってくるのを待ちながらこれを書いている。晩御飯はサイゼリヤに行く予定。

2022-07-21

時差ボケ日和 1





朝は家から持参したコーヒーを飲み、ファミリーマートで買った塩豆大福を食べる。そのあとスケザネさんとのトークイベントの骨子をつくりメールで簡単な打ち合わせをする。昼は自炊し、家から持参したハーブティーを淹れる(旅のときはコーヒーとドリッパーとフィルターのほかハーブティーも3種類くらいパッキングします。いつも飲んでいるものがあるとほっと一息つけるから)。午後は素粒社へおもむき2時間ほど労働する。QuizKnockの伊沢拓司さんが書いてくださった『いつかたこぶねになる日』のPOPを3枚いただき、書店回りの時間をとれそうかどうかKさんと話し合う。と、そこへ句集のゲラが返ってくる。帰りはKさんと東小金井駅前の中華料理「宝華」へ行き、油そばなるオールドファッション的逸品を食す。

2022-07-20

一点か全体か、それが問題だ。





日本到着。いま宿泊先のラウンジでこれを書いています〜眠い目をこすりながら。私、時差ボケが治らない体質で、日本に来ると滞在中ずっと眼窩が殴られたように黒ずんでしまうんですが、これってなんとかならないんでしょうか。

小説すばるの最新号が発売されていまして、今月の空耳放浪記は、ええとたしか「存在と時間」というタイトルだったと思います。自分でつけたのに自信ないですもう眠くて頭が働かない……こんな状態でスケザネさんとのトークイベントの骨子つくれるのか不安だなあ。いやあ、この本って『物語のカギ「読む」が10倍楽しくなる38のヒント』というタイトル通り、スケザネさんおすすめのネタが回転寿司みたいにつぎつぎ繰り出されるんですよ。なので一箇所に光を当てると他の場所が真っ暗になっちゃう。一点透視図法的に視界がひらけないんです。広角的な配光はあきらめてスケザネさんが特にこだわっている一部を照らすか、それとも深堀りをやめて全般配光をめざすか、そこを決めておかなくちゃいけない。あ、あと朗読する本にふりがな振っておかなきゃ。詳細・お申し込みは下のリンクからどうぞ。

2022-07-14

革命記念日とトークイベント





7月下旬の日本行きにそなえて6月からいろんな所用を巻き巻きでやってきて最近ずっとへろへろである。にもかかわらず昨日はいつもより長く海で泳いだ。やたら魚の多い日で、子どもたちが昆虫採集用の網をもって素潜りしていた。帰宅したときわたしの肉体はへろへろという音喩を美しく体現しほとんど人間の形状を成していなかった。床に溶けていると夜になり花火がばんばん上がりはじめた。おお、革命前夜の花火!と心沸き立ち、這うようにして花火大会へと馳せ参じた。帰ってきて、薬草を練った湿布を足の裏に貼り、よく眠れる薬を飲んで、目覚めると革命記念日。

お知らせです。7月31日(日)夜7時よりB&Bにて開催されるスケザネさんとのトークイベントですが、ご来場可能の人数がいっきに40人増えました。コロナ対策で制限しますと聞いていたのですが大丈夫になったのでしょうか? 事情はわかりませんがうれしいことです。一人でも多くの方とお目にかかれますと幸いです。お申し込みは下のツイートのリンクからどうぞ。

2022-07-10

休日の午後





土曜日の午後、町の中心に出る。画面右側は15日から始まるジャズ・フェスティバルの入り口。画面左側では、


子供たちが水着になって遊んでいた。濡れた石畳が雲に染まる。


所用をすませるともう夕方。かれこれ七年ほど、前を通るたびに気になっていたEmilie and the Cool Kidsに入ってみる。想像していたよりもずっと手作りの内装だった。マフィンは蒸しパンみたいにふにゃふにゃ。家庭科の授業の味がして美味しかった。

2022-07-04

藤の昼、その永き儚さ





博物館の渡り廊下で夫のあとを追う。



季節はどんどん移り変わるし、郵便は届くのに時間がかかる。先週読んだ『トイ』Vol.07は5月の刊行。干場達矢「心変り」より三句。

道具には道具のこころ囀れり  干場達矢

「道具には道具のこころ」といった言い回しに凛とした佇まいを感じるのは、ちょうどこの春開催された柳宗悦没後60年記念展「民藝の100年」を思い出させるからでしょうか。またその凛々しさを「囀」によって実際にくっきりと形象化してみせたのも巧い。

土壇場の心変りは梅のせい  〃

「土壇場」というのっぴきならぬ状況が「梅のせい」という不埒な言い訳に収斂されるところ、大人の日常を切り取った匂いがしていいなあ。私好みです。

藤の昼ことば儚く永くあり  〃

ことばが「儚く」しかし「永く」在るという抱懐と、しなやかで重りかな藤とを合わせることで、日常と永遠とが見事に地続きになっています。ふわふわしていない、心にしっかりと染み入る、愛おしき永き儚さを思いました。

2022-07-02

Panda Tea





今朝コロナの抗原検査をしに薬局に行った家人が「列に並んでいたらこんなお茶が!」と買ってきたもの。パンダ茶ってことは竹茶?と思いつつ袋を見るとグリーン・ルイボスティーである。香りづけは桃、無花果、林檎、甘草。冷やして飲んでみたらリラックス効果抜群だった。