2017-02-02

丸さに近づく





近所にとても可愛らしいおばあさんがいる。

おばあさんは少し惚けていて、丸いものに異常なこだわりがある。散歩の途中に丸いものを見つけるたびに足を止め、じっとその丸さを観察するのだ。あるときは雑貨屋の前に山積みになっていたフライパンの前に佇んで、とびきり大きいフライパンを、ゆっくりとなんども撫でていた。丸い物体を見ると、どうやら生き物を想うらしい。

おばあさんは教会の天井も好きだ。これはわたしもわかる。教会の天井って、なんだか吸い込まれてしまいそうな。手をのばしたくなるような。