須藤岳史さんとご一緒している往復書簡【LETTERS 古典と古楽をめぐる対話】の第4回「辺境への誘惑」が公開されました。あるものとないもの、音と言葉、そしておたまじゃくし。こちら(上・下)からどうぞ。
《先日はハーグのそばの砂丘地帯へ出かけてきました。ここはハーグの水源にもなっている場所で、豊かな緑ときれいな水が自慢です。様々な水生生物を観察できるのですが、この季節の主役はやはり何と言ってもおたまじゃくしです。塊のようになった群は、人が近づく気配を察すると散り散りなります。それぞれが重なり合ったり、一匹のおたまじゃくしとしてその存在感を見せつけたりと、見ていて飽きません。おたまじゃくしの名は音符の別名としても使われるように四分音符にそっくりで、まるで水中で音楽が鳴っているかのようでもあります。》(須藤岳史「辺境への誘惑・上」より)
たまじやくし捧ぐ深手のオルガンへ 小津夜景