2022-12-12

『花と夜盗』刊行記念・選書フェアのご案内





現在、小樽の書店「がたんごとん」にて「小津夜景が選ぶ文庫本&小津夜景の本フェア」が展開されています。こちらのページに陳列されている本を購入すると【小津夜景の好きな文庫本10冊】と題された、各文庫を200字ずつ褒めちぎったフリーペーパーがおまけでついてくるはずです。また文庫以外に詩歌のおすすめとして荻原裕幸『リリカル・アンドロイド』と長嶋有『春のお辞儀』も選びました。こちらの2冊については上記ページ内でコメント全文をお読みいただけます。

フリーぺーパー【小津夜景の好きな文庫本10冊】についてですが、実は私、選書フェアを企画していただくのって今回が初なんですよ。それを版元のTさんに申し上げましたら、穏やかな微笑を浮かべながらTさん、

「あ。そうなんですか。それでしたら今回はテーマを決めず、シンプルに小津さんの好きな本を10冊選んでくれたらいいです」

とおっしゃる。大いに弱りました。自由すぎてどうしたらいいものか。思案の末、こんなふうに考えました。まず『花と夜盗』を購入してくださる方々の懐に更なるご負担をかけないようにしたい。そうすると対象はおのずと文庫本になります。あと岩波の本の仕入れは買い切りですから、フェア終了後、売れ残った本を返品できません。つまり書店さんにご負担を強いる。そんなわけで、岩波以外の文庫本を様々なレーベルから一冊ずつ選んだ次第です。

1. 石田幹之助『長安の春』(東洋文庫)
2. 菊地成孔『スペインの宇宙食』(小学館文庫)
3. 野尻抱影『新星座巡礼』(中公文庫BIBLIO)
4. 森茉莉『父の帽子』(講談社文芸文庫)
5. エリック・サティ『卵のように軽やかに―サティによるサティ』(ちくま学芸文庫)
6. テッド・チャン『あなたの人生の物語』(ハヤカワ文庫SF)
7. 鴨居羊子『わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい』(ちくま文庫)
8. 太宰治『斜陽』(新潮文庫)
9. リチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』(河出文庫)
10. 夏目漱石『草枕・二百十日』(角川文庫)