2018-05-20

青葉の孤独




きのう画材屋さんからの帰りしな、新しい地ビールを発見しました。お試しに一種類ずつ購入し、夕ごはんはライ麦パン、揚げ豆腐のサラダ、果物の盛り合わせ、そして今年はじめてのビールに。

しみじみとわれの孤独を照らしをり札幌麦酒(さつぽろビール)のこの一つ星
荻原裕幸

お酒を扱った句歌については愛唱性の高いものが好み。上の歌については、わたしはかってに初夏の風景を想像しながら読んでいます。

なぜかというと、この歌人は初夏を詠むのがとてもうまいから。わけても淡い光に佇みながらその光に決して心を開き切らない、いまだ蒼く張りつめた類の孤独といったものを美しく詠むので、麦酒の歌もその雰囲気にそっと重ねるようにして味わうと、不思議な酔いに浸れるのでした。

われにはわれの時間流るる悲しみよ追憶はつねに一人の青葉
荻原裕幸