2018-05-17

三つの「オルガン」



今まで「オルガン」への不満としてあったのが、宮本佳世乃の発言が少ないこと。それがこの最新号、なんと白井明大×宮本佳世乃の対談が載っています。おもしろいです。あと白井氏のゲラへの手の入れ方が気持ち良かった。別段どうということもないのに、息づかいがふっとつかめてしまう、そんな感じの語り口。ふだんはこんなこと考えながら読むタチじゃないので、ひょっとすると自分の知っている誰かの息づかいと近かったのかもしれません。

みずうみのひらくひばりのなかに空  宮本佳世乃


白井氏の新刊『一日の言葉、一生の言葉』(草思社)の刊行記念として、5/20(日)19時から東京・下北沢の本屋B&Bにて「オルガンの響きとともに、てくてくと言葉をあるく」というトークイベントがあるようです。宮本佳世乃、鴇田智哉、福田若之の三氏が出演されるもよう。


さいきん出たばかりの「豆の木」に、宮本さんの現代俳句新人賞受賞作に対する評「器に手を当てる 宮本佳世乃『ぽつねんと』における〈風景〉の構図」を寄稿しています。俗に「オルガン調」と称されるレトリックがどのような文法構造と身体把握に拠っているのかを、漢詩における倒装法から解説しました。