「土曜日の読書」、更新しました(★)。川田順造『サバンナの博物誌』を取り上げています。
* * *
昔の記憶で、はっきりと覚えていることのひとつに、詩という言葉との出会いがあります。
3歳のころ住んでいた家の居間には、両親が結婚祝いにいただいた4尺5寸の横額が掛かっていて、幼いわたしは、毎日その横額を眺めるともなく眺めて暮らしていたんです。それがあるとき、まさに突然、そこに描かれている何かが文字であることに気づき、母に「なんて書いてあるの?」とたずねた。すると母は、
「さあ。あれはね、おとうさんの作った詩を、おともだちが書にしてくれたのよ。」
これが、わたしの記憶において「詩」という言葉が登場する最古のものでして。でね、この話を他人にしたら変態って言われました。
記憶の中の最古の言葉、なんて視点は気狂いじみてるって。
でもわたしは、記憶にしても、体験にしても、意味のあるなしにはあまり関心がなくて、いつなんどきも〈初めての日のこと〉を想うのが癖なのでした。
3歳のころ住んでいた家の居間には、両親が結婚祝いにいただいた4尺5寸の横額が掛かっていて、幼いわたしは、毎日その横額を眺めるともなく眺めて暮らしていたんです。それがあるとき、まさに突然、そこに描かれている何かが文字であることに気づき、母に「なんて書いてあるの?」とたずねた。すると母は、
「さあ。あれはね、おとうさんの作った詩を、おともだちが書にしてくれたのよ。」
これが、わたしの記憶において「詩」という言葉が登場する最古のものでして。でね、この話を他人にしたら変態って言われました。
記憶の中の最古の言葉、なんて視点は気狂いじみてるって。
でもわたしは、記憶にしても、体験にしても、意味のあるなしにはあまり関心がなくて、いつなんどきも〈初めての日のこと〉を想うのが癖なのでした。