2018-12-02

幼児版『百兆の詩篇』





昨日の続きで、みみずぶっくすのこと。

逆に買った理由が一発でわかるものもあった。モルテザ・ザーヘディ『千の動物』(Morteza Zahedi "1000 zanimaux")がそれ。レーモン・クノー『百兆の詩篇』の幼児版みたいな大型絵本で、どういうことかというと、



と、こんなふうに造本が『百兆の詩篇』と一緒。対象年齢は3歳から5歳らしい(わたし、ちょうど良いんですが…)。3つの部位(頭、体、脚)に切断された10の動物(梟、猫、鶏...)を組み合わせると、右ページにオリジナルな造形の動物、左ページにシュールな文章がそれぞれ生まれる仕組みになっていて、左の上段には主語(動物の名前)、中段には動詞、下段には副詞句が印刷されている。


「ふくろうは」「のどを鳴らします」「夜の中で」。


「にわとりは」「吠えます」「睡蓮の上で」。

モルテザはイランの人。この絵本、パリのグラン・パレで見たカタログには〈イマージュと短いテクストとの絶妙な屍体〉と評されていた。ううむ、言い得て妙。