2020-08-23

海が記憶する時間





土日は1時間ずつ泳いだ。

最近、海の嫌なところを考えているのだけれど思いつかなくて困っている。どうして嫌なところを考えているのかというと、海の中にいるのが幸せすぎて、少しは抵抗感を抱かないと、そのままふっと気を失って死んでしまいそうになるからだ。

それで一生懸命考えた結果、とりあえず「水から上がったあと体がべたべたする」という短所をひねり出したのだけれど、あまりに些細な話である。

好きなところは、水のきもちよさ。波のおもしろさ。浮力のわくわく感。別世界みたいな。どうして私は海のいきものではなく人間なのだろうと思う。せつないわけではない。ただ私が、海ではなく陸のいきものとして生を受けたという、この世界のリアリティが不思議でならないのだ。

今日から「SEA」のカテゴリを作る。とある方から「小津さんのブログに海のカテゴリがないの変ですよね」と言われ、ふむ、たしかにと思ったから。

くらげみな廃墟とならむ夢のあと  小津夜景