浜辺のレストランが本格的にはじまった。魚介類を焼いたおいしそうな匂いでつっぷしそうになりながら、海岸道路を歩く。ああ。わたしも何か食べたかった。前回この町のレストランに入ったのは昨年の2月27日なので、ちょうど1年3ヶ月前になるが、レストランの再開(まだテラス席のみとはいえ)がこんなにも肉体に喜びをもたらす(まだ実際に食べていないとはいえ)ということに改めて驚愕している。これまでは理念としてしか、つまり精神としてしかその重要性をきちんと理解していなかったのだ。
ところで数日前に活動写真弁士の話を書いたら、思いがけず定型詩関連の知人から「私も好きです」とか「音源もってます」などといったメールが舞い込んだ。きわめつけが「同世代の弁士に習っていたことありますよ」という知人。彼は私にとってもっとも身近な一人なので、とつぜんの告白にのけぞる。ううむ。短詩系の人ってこの手の文化と近いのかもしれない。