2022-06-20

熱波生活。





熱波らしいが人生はつづく。小説すばる連載の空耳放浪記、今月のタイトルは「アマゾンの星」です。それから週刊俳句第791号に写真と小文を寄稿しています。

句集の担当さんからサンプル版のレイアウトが届いた。想像していたよりもずっと良く、そのまま進めてもらうことに。自分で希望を出しつつも「きっとうまくいかないだろうな…」と半ば諦めていたので嬉しい。まだ原稿が完成していないのに装幀をどうしようかなあなどと考えることができるほど気持ちに余裕ができた。

装幀のことが頭にうかんだついでに平出隆のサイトを覗いてみる。平出さんの装幀ってかっこいい印象があるから。『いつかたこぶねになる日』では詩論を引用したけれど、私の中の平出隆は詩よりもむしろ野球の人だ。そういえば、ちょうどコロナが始まったばかりの頃、夫の知り合いの若い研究者がニースに遊びに来たのだけれど、彼が子供の頃からロッテが好きでいまも草野球をしているというので平出隆の名前を出したら、なんと彼の存在を知らないという。こちらとしてはロッテと草野球の組み合わせで平出隆の情熱を語らないわけにはいかず、とはいえ相手は私自身ではなく夫の知り合い、つまりは微妙に距離がある。そこでとりあえず10分で熱弁を切り上げ、ここから先は『ベースボールの詩学』か『白球礼賛』か『ウィリアム・ブレイクのバット』を読んでみてください、と言うにとどめた。と、今書いてみて、微妙な距離感にしては推し推しの態度すぎることに気づいてしまった。自分から人に活字の本をすすめたことって、私、記憶にある中ではこのとき一回だけ。