2023-07-06

現代俳句を舌で味わう




松本の「books 電線の鳥」と「めしつくるひと」の共同企画で開催された「現代俳句を舌で味わう 小津夜景『花と夜盗』に寄せて」は、不肖私の俳句を元にした創作料理を味わいながら、俳句を鑑賞するというユニークな会。無事終わりましたとのメールが電線の鳥店主の原山さんから届く。送られてきた当日のメニューを拝見したら、すごかった。俳句がこんな風になるなんて。イラストレーターの佐々木未来さんがスケッチしてくれた絵をじっと見て、食べた気分に浸る。


その壱 西葫芦の水無月雲海
ズッキーニを揚げ焼きにし、豆乳と卵白のソースを掛けたもの
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雪の澱(よど)ほどよく夢を見残して

その弐 実芭蕉の箱舟焼き
味噌などで味付けした魚介をバナナに詰め、豆腐と豆乳のソースで皮ごとホイル焼きしたもの
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副葬の品のひとつを月として

その参 若鶏の青唄残歌(せいしょうざんか)焼き
若鶏を自家製山椒醤油で焼き、青大豆のソースを添えたもの
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そして悲歌嫩き駒鳥(ロビン)のこゑにさへ

その四 白き指絡める水晶宮
素麺とところてんを絡め梅肉や柚子の皮を散らしたもの
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喉越しは水母を夢むシャンデリア

その伍 北海に眠りて能留英(ノルウェー)の赤い夢
干し鱈の代わりに身欠きニシンを使ったノルウェー料理バカラウ
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古代魚のふつくら炊けて花の宴

原山さん宅の庭のモヒートミントとレモンバーム入りウォーター
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逃げ去りし夜ほど匂ふ水はなく

コーヒー
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きぬぎぬのキリマンジャロの深さかな