2023-12-21

宮殿と要塞、そして出会った猫





クレタ島3日目は昼から考古学博物館へ。クノッソス宮殿の出土品が山のようにあって、その素晴らしさに度肝を抜かれた。この人たちのアーヴァンライフに比べたらわたくしの住まいなど鄙の庵である。ふらふらとスーパーにより、ちょろっと買い物をして、ホテルの部屋で寝て起きて、パンを半分、アンチョビを一切れ、そしてタコの切り身を二切れの夕食をとる。昨日の熱はほぼ引いたけれどまだ食べられない。で、また寝た。

クレタ島4日目の朝はどしゃぶり。朝食はパンと蜂蜜と目玉焼き。それからカモミールティー、白湯、インスタントコーヒー。全部で700ccくらいお湯を吸収した。部屋で某俳人の句集の栞を書くためにゲラを読んでいたら晴れてきたので、10時過ぎ、クノッソス宮殿を見に行くことにした。クノッソスは市バスの終点で、始発から25分のところにある。海辺のバスターミナルを発ち、ヴェネチア領時代の城壁に囲まれた市街地を抜けて、内陸の山間部に向かう。で、着いたら、私たちのほかはHOKAのシューズをはいたランナーとおぼしき夫婦一組がいただけで宮殿まるまる貸し切り状態だった。まるで探検ではないか。それにしても部屋数が多い。多すぎる。あやうく迷子になりかけた。でも住んでみたいと思わせる宮殿である。構造の面白さもさることながら天井が低いのがいい。そしてズキンガラスの陽気な鳴き声が途切れることなく降っている。なにをあんなに話すことがあるのだろう?


町に帰り、昼食をすませたあと、ヴェネチア領時代の要塞が海にせり出したところに寄ってみた。途中の道で、猫に会った。それが一番上の写真。