2018-04-23

郵便制度の鳥



新潟の喜怒哀楽書房が発行している「喜怒哀楽」の4-5月号に、第2回目のリレーエッセイを寄稿しています。タイトルは「ふしぎな奥義」。このブログを始めた経緯について書きました。こちらからダウンロードできます。

『川柳スパイラル2』をめくったら我妻俊樹の名がありました。我妻俊樹をはじめて知ったのは歌葉新人賞。あの賞では雪舟えま、謎彦、宇都宮敦、フラワーしげる、斉藤斎藤、笹井宏之、永井祐ほか、おもしろい歌人をいっぱい知ったけれど、我妻さんもその一人。川柳では、こんなのが好き。

かっこいい貝殻のある人生だ
少しずつ思い出してる右の県
殴られるまで五月だとわからない
無はいいな信号待ちのタンクローリー
間からカモメを見せてむすめたち
泣けないな地べたに夜と書かれても

こういった作品を読んだあとに、この方の、

「先生、吉田君が風船です」椅子の背中にむすばれている

といった詠風を眺めると、ずいぶん川柳的なもののように感じられたりもします。そんなわけで『川柳スパイラル2』からも一句。とっても短歌的なのだけれど、でも川柳にしてベターだったと言えるような仕上がり。

郵便制度のあんなところにも鳥が