2020-12-17

都々逸の贈答





師走の野暮用がつづく。きのうはお歳暮をさがしに街中へ。ついでに自分用のマロングラッセを購入する。箱をペンケースにできそう。

それはそうと、お歳暮で思い出したのだけれど、誰かと詩歌をやりとりする場合、自分で詠むのもいいけれど、他人の作の引用ですませる粋もあると思う。今日届いたメールで、さらっと雑俳の話をしたさいごに、こんな詠み人知らずの都々逸をしたためてくれた友達がいた。

遠くはなれて逢いたいときは月が鏡になればよい

控えめに言って最高である。李氏朝鮮の使者なのである(@久木田真紀)。しかしながら問題はどのような返歌をつけたらよいかだ。このメールをくれたのは友達だから何を書いてもいいのだけれど、ちょっと距離のある人だと、いろいろとむずかしい。で、こういったとき他人の作を借用するのはいい方法だと思う。わたしが合わせてみたいのは読み人知らずのこちら。

月に誘われデッキに立った沖のクラゲに手をふって

100年ほど前の『北米新聞』で見つけた都々逸。可愛いと思ってメモしておいたのが役に立った。けっこういい感じの組詩になったと思いませんか。これが千年まえの恋愛なら、思いが成就したかもしれない、みたいな。