釣り人を眺めながら、木下長嘯子『挙白集』を読む。
せめてわがぬる夜な夜なは逢ふとみえよ夢にやどかる君ならば君
すべて人をいかなる時にしのばざらんあはれ日又日あはれ夜また夜
世々のひとの月はながめしかたみぞと思へば思へば物ぞかなしき
リフレインがうまい。さいごのうたにはこんな派生歌も。
おもふまじ思ふかひなき思ひぞとおもへばおもへばいとど恋しき/近衛尋子
もろともに見しその人の形見ぞと思へば思へば月もなつかし/徳川光圀
近衛尋子(徳川光圀の正室)はいかにも才媛な雰囲気。20歳で死んでしまったけど。三体詩を暗記してたそうで漢詩も2首残っているらしい。