2020-12-29

『漢詩の手帖 いつかたこぶねになる日』



この人、何者?
極上のエッセーで、文体が弾み、とんでもなく博識で、どうやらフランス暮らし。俳句を作る人らしい。一回ごとに漢詩の引用があるが、その漢詩はいつも角を曲がったところに立っている。しなやかな和訳と読解が続く。
世の中は驚きに満ちている、と改めて思った。
池澤夏樹(帯文より)

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その堅苦しく黴臭いイメージをさっと片手でぬぐって、業界のしきたりを気にせず、専門知識にもこだわらない、わたし流のつきあい方を一冊にまとめたのがこの本です。
本書「はじめに」より

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新井白石「蕎麥麺」植木玉厓「詠柳」王国維「書古書中故紙」韓愈「盆池・其五」木下梅庵「竹村最中月」「鈴木兵庫菊一煎餅」桑原広田麻呂「冷然院各賦一物得水中影応製」幸徳秋水「獄中書感」島田忠臣「見蜘蛛作糸」「照鏡」徐志摩「再別康橋」菅原道真「重陽日府衙小飲」「寒早十首・其二」「寒早十首・其十」蘇軾「春夜」「病中遊祖塔院」杜甫「槐葉冷淘」夏目漱石「帰途口号・其一」「無題」「菜花黄」成島柳北「塞昆」「地中海」白居易「夢微之」「観幻」「和春深二十首・其十二」原采蘋「乙酉正月廿三日発郷」「初夏幽荘」藤原忠通「賦覆盆子」「重賦画障詩」源順「詠白」楊静亭「都門雑詠」陸游「書適」「初夏行平水道中」李賀「苦昼短」李商隠「無題四首・其二」李清照「好事近」良寛「我生何処来」「孰謂我詩詩」無名氏「子夜四時歌三十首・秋歌」


【平井の本棚読書会】はじめて漢詩を読む方を対象に漢詩の探し方、訳し方、面白さなどについて語った動画です。『いつかたこぶねになる日』制作秘話の一面も。


『漢詩の手帖 いつかたこぶねになる日』
著者:小津夜景
帯文:池澤夏樹 装幀:calmar 装画:姫野はやみ
予価:1980円(税込み) 本文ページ数:272 サイズ:B6判
発行所:素粒社 2020年11月10日刊行