『いつかたこぶねになる日』の刊行記念連句という驚きの贈り物をいただく。羊我堂さん、冬泉さん、胃齋さん、須藤岳史さん、森尾みづなさん、季何さん、綉綉さんといったいつもの連衆に加え、なんと挙句が抜け芝さん。小津にちなんだあれこれを盛り込んでくださったりもして、とても華やかな歌仙になっていました。ありがとうございます。
連句って流れを楽しむものですけれど、今回はそれぞれの句からお気に入りを選んでみました。それがこちら。
先日、池澤さんとの対談でも話したことですが、自分にとって連句というのはすこぶる教育的な一面があって、エッセイを書くときに無意識に参考にしているんです。次の一手がひきよせる世界のひろがりを、連句ほど味わい抜いてきた遊芸はないと思いますし、軽妙であり複雑でもあるといった姿形もまた好ましいところです。
連句って流れを楽しむものですけれど、今回はそれぞれの句からお気に入りを選んでみました。それがこちら。
今生の汽笛に触れて融ける雪 羊我堂
鳥の巣髪で逍遥游へ 冬泉
火星にも運河ある日の花筏 胃齋
ウィッシュリストに靴を並べて 岳史
永日鳧(ながきひのにはとりかぜをこえにけり) みづな
ご自愛を!月に憑かれたピエロたち 季何
遠ざかる夜景に降れる花の雨 綉綉
うららかにしてすこし空腹 抜け芝
先日、池澤さんとの対談でも話したことですが、自分にとって連句というのはすこぶる教育的な一面があって、エッセイを書くときに無意識に参考にしているんです。次の一手がひきよせる世界のひろがりを、連句ほど味わい抜いてきた遊芸はないと思いますし、軽妙であり複雑でもあるといった姿形もまた好ましいところです。