2022-05-20

風強き日の老船とバナナの木





木曜日。句集刊行までのめどが立ち、浮かれた気分で美容室に髪を切りに行くと、マスク義務化が解除されたにもかからわず、美容室の店員は揃いも揃って黒いマスク姿だった。暑いだろうなあ。すでに地元民は老いも若きも夏の格好なのに。

帰宅後、自宅のバルコニーで原稿を書く。バルコニーの下では近所の高校に通う放課後のリセエンヌたちが、ミニスカートのまま広場の階段に座り込んで大声ではしゃいでいる。日差しが怖くないのかしら。ん。怖いわけないか。

風強き日の老船とバナナの木 小津夜景