2018-03-22

この国のかたち、あるいはデモの観念。





綺麗な青空。この屋根はリスボン大地震の時に崩壊してしまって、今もそのままになっているのでした。屋根がある教会より崇高です。

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フランスに来て10年目にさしかかろうかという頃、行政から「そろそろフランス国籍取得のための市民講座を受講しておいてください」との通知が届きました。

通知をよく読みますと「この講座の合格証書を所持していることが、フランス国籍取得の必要条件です」とのこと。

で、フランス人になるつもりは全くなかったのですが、無料だったので行って来たんですよ。

当時の市民講座ではフランスの地理・歴史・法律・税制・人権など、生活に必要な知識を幅広く習いました。地理はすごく助かった。テレビがあれば天気予報などでフランス全体図を見るのでしょうけど、うちはテレビがなくてその辺の一般常識に欠けていたんです。

忘れられないのが、講座が始まる前は「どんな授業だろう。やっぱりフランス語が中心かしら?」なんて思っていたのが、いざ授業の会場に入って最初に目にしたのが荒れ狂うデモの映像だったこと。

デモは国民の権利とはいえ、いきなり最初からピンポイントでそこを押さえにくるとは。完全に想定外でした。しかしフランス国民となる以上なによりもまず身につけるべき観念である、ってことなのでしょうね。