2018-09-20

稀れなる星よ





一つの星に  原民喜

わたしが望みを見うしなつて暗がりの部屋に横たはつてゐるとき、どうしてお前は感じとつたのか。この窓のすき間に、あたかも小さな霊魂のごとく滑りおりて憩らつてゐた、稀れなる星よ。

日本経済新聞「読書日記」、第4回はたいへん美しい装幀の『原民喜童話集』を取り上げました()。

最近の原民喜の流行ってすごいみたいですね。わたしは彼のことを全然知らなくて「夏の花」と「永遠のみどり」を学校で習ったくらいだったんです。それがこの夏、青空文庫で「原爆小景」を読んで、あ、「永遠のみどり」は組曲詩だったんだと小さな衝撃を受けました。これ全部、教科書に載せてくれたらよかったのに、って思った。