2020-07-04

わたしのヒーロー




週末なので、用事を片づけるため外出する。7月1日、コート・ダジュールはコロナに収束を祝う「テラス祭り」で、広場や道路でのリサイタルや、レストランやバーのテラス席を開け放ってのイベントがあった。これは近所にあったオブジェ。


ツールドフランスまであと55日の電光掲示板。


公園。大人も子供もみんな水着。


最近、寝る前に、西崎憲さん主宰編集の惑星と口笛ブックスから刊行された『コドモクロニクル』を読んでいる。夕べはPippo「わたしのヒーロー」を読んだ。Pippoさんが中学三年の頃のエピソードを綴ったエッセイだ。すこんと抜けた、とてもいいタイトル。

そんなある日の夕方、テレビで、裸の上半身に、ド派手な衣装と頭にはヘンテコなかぶりもの(赤い象のジョウロが付いていた記憶)ーークネクネした奇妙な動きをしている、途方もなく陽気な、一人のお兄さんを見かけた。
(中略)
カッコいい。死ぬほどカッコいいよ! 兄さん! 兄さん!

若かりし、ダンス振付師「ラッキィ池田」である。
一目惚れだった。

その日から、寝てもさめても、ラッキィ池田のことばかり考えるようになった。恋愛感情というよりも、圧倒的な存在感への畏敬と憧憬の念が強かったように思う。何物をもおそれず、「自分はこういう者なんです」と明るく振る舞う、その精神の強靭さに強く惹かれた。

わかる(感涙)。このエッセイ、シンプルに「自分の好きな人」を語る話に終わらず、ラストにミラクルが起こるところも胸熱だった。