2021-01-11

古屋翠渓の短歌





今週のハイクノミカタはわたしの好きな俳人・古屋翠渓の俳句について書いています。古屋翠渓は短歌も書くんですが、俳句が冒険心に富むタブロ一だとするならば、短歌は日々のスケッチの味わいです。残念ながら歌集は出ていないので、以下、日布時事から好きな歌を気ままに引用します。

金雨花の咲けるもよしや吾子連れて芝生を歩む日曜の午後(1926年8月15日号)

家解きし跡に陽炎漲りてピンクシャワーの咲きいでにけり(1928年4月29日号)

久しぶりで日和になつた朝の庭マンゴたわわにゆらす風あり(1933年3月19日号)

秋らしき雨のあしたの朝まだき柘榴色づきたりし裏庭 (1933年11月11日号)