「週刊俳句」第718号の話。四ッ谷龍「
本の署名を考える」にわたしの名前が出てくるのですが、わたしは署名をするのもされるのも好きではない人です。
それで最初の本を出したときは煩悶し(あまりにおのれの流儀とかけ離れているから)、しょうがないから、苦肉の策で、後ろの見返しページにしてました(前に書こうが後ろに書こうが、署名は署名なんですけどね)。だってさ、わたしにとっては、わたしの署名なんて、ただの汚れと変わらないじゃん? だから、頼まれるたび、えっ、本を汚しちゃうわけ? いまの方が綺麗なのに正気?ってなもんで。
でね、『カモメの日の読書』を出すことになったときは、わたしが「小津夜景」と書かなくても、誰もが納得せざるを得ないようにしようと画策した。それがこちらの方法です。つまりわたしは本ではなく、イラストにサインすることにしたわけ。
イベント終了後は、あらかじめ考えていた方法で本にサインをする。サインってなんだか偉そうだし、なにより単純に恥ずかしいのでなんとかならないかなあ…と前から思案していたのですけど、下の写真の場所だったらすんなりできるので気に入っています。(ウラハイ「署名と花籠」より引用)
そんなわけで、わたしはこれからも、本ではなくイラストに「ozu」とサインしてゆく所存であります。