2023-04-11

八吟「雪月花の巻」




句集『花と夜盗』刊行記念の句座をもうけていただきました。拙句をひとひねりしてくださった付句がいっぱいで有り難く存じます。挙句はスペシャルゲストの夜森さん。額装は羊我堂さん。毎回画像を拝見するたび「なるほど。今回はこんな歌仙ができたんだね!」と分かったような気分になります。デザインって解釈を含んでいますよね。そんなわけで以下、自分の付句を備忘録的に抜き書きしました。

夜盗姉妹は猫目石(キャッツ♥アイ)掏る(季何)雑
額髪に驟雨がかほる老刑事(りゑ)夏  
わりと涼しいタイムトンネル(夜景)夏

付け筋は老→時の流れ。

稲穂縦(みのるほどかうべをたれてほしいまま)(季何)秋
チチポポ(つきにかはつてつづみをならす)(りゑ)秋月
秋の蚊は飛んでイスタンブールまで(夜景)秋

付け筋は鼓→筒美京平。ウィキによると「ペンネームは鼓(つづみ)が平らに響くという意味から「鼓響平」を考えていたが、『真ん中で折った時に左右対称の名前は縁起がいい』という意見があり、文字を左右対称にするために『筒美京平』とした」うんぬん。

砂の女はアバヤ脱ぎ捨て(季何)雑恋
トレーダー分岐点まで何マイル(りゑ)雑
エメラルダスの屋根裏の窓(夜景)雑

付け筋は松本零士。追悼句。

テキサスのピストルオペラ知らざりき(季何)雑恋
あれ見さいなうシガーの煙(りゑ)雑恋
深井戸に飛び込みたがる十三夜(夜景)秋月恋

前句が閑吟集「あれ見さいなう、空行く雲の早さよ」ということで、付け筋は空→月。