2020-11-06

書物の起源





海岸のウッドデッキを歩く。長い時の果てに、かけがえのない思い出となるだろう空と海がある。


雲の目線で地上を見晴らしていたら、ふとマスクの人とすれちがう。夢のように。

書物の起源冬のてのひら閉じひらき  寺山修司

かじかんだてのひらを閉じたり開いたりするときの〈かたち〉が書物の起源である、といった見立ての句。身を切るような寒さに震えながら、じっと見つめたてのひらに書物の宇宙を観想する、その漂泊の精神がすてきだ。