2018-03-02

花を慕う




きのうの赤松総領事の短歌があまりに魅力的だったので、ブログを書いたあと彼に関する他の記事も読んでしまいました。どうやらホノルルに着任してすぐ無類の文学好きとして、ハワイ文壇で名を知られたようです。

ちなみに赤松さんがハワイにいた1929年当時、ハワイ島で最も売れていたのはキングで、これが毎月2000部。あと有名どころでは文藝春秋が月500部、新潮が月300部、文藝倶楽部が月200部。ハワイ島の売り上げだけで毎月こんなにあったみたい。マウイ島やらカウアイ島やらすべてを合わせるとすごい数ですよね。

で、赤松さんですが、なんとどの記事でも花の話をしているんです。もともとはそんな趣味はなく、外国人の男性が自分の身体や部屋を花で飾っているのを見ると、気障だなあ、と感じていたらしいのですけれど。

ところがサンパウロの総領事をしていたころ、月に半分は家族と別れてリオデジャネイロの事務所に詰めなければならず寂しくてたまらなかったのが、あるとき事務所から仮の住居に帰ると庭に咲いている花が自分を慰めていることに気づき、それからというもの花を深く慕うようになったとのこと。

ハワイで一番好きなのは黄金色のシャワーツリー。またホノルルの自宅には50種類のハイビスカスを植えて楽しんでいたそうです。香りの芸術であるレイにも深く魅せられ、帰国後のインタビューではハワイから持ち帰ったカウアイ島の木の実のレイが帰国後9年を経ていまだ強く香ることを、驚きをもって語っていたりします。