2020-10-22

アームチェアから遠く離れて




週末から調子が悪かったのだけれど、休む暇がなく、やっと今日の午後に2時間の休息をとった。少し眠ったので、ほどなく復活できそう。ベランダに出、風に吹かれながら、曇り日の地面を見下ろす。


日本はすでに金曜日。拙著『漢詩の手帖 いつかたこぶねになる日』のご注文クラウドファンディング最終日です。サイトを見ると、なんと残り18時間。まだの方はどうぞ見にいらしてください。会場はこちらになります。

クラファンは現時点で130パーセントを超える達成率で、おおむね順調でした。いまはそのことに安堵するとともに、ああ振り返れば執筆中は編集者Kさんのお世話になったなあと改めて感じています。

わたしは対象を把握するときの構図に自分の直感をわりかし反映させたい質なのですが、作品をめぐる新たな見方というのは当然ながら帰納的作業よってしか生まれません。一言一句、先行研究にあたることって、絶対に避けられないわけです。ところが東洋の古典について何か書く際の、外国に住むことの不都合ときたら、それはもう筆舌に尽くしがたいものがあります。Kさんがいなかったらとうてい無理でした。あと前回の『カモメの日の読書』も今回の『いつかたこぶねになる日』も詩人の全集に存在しない作品を扱っているのですが、専門家に質問しても不明の資料の在り処を突き止めてゆく根気もわたし一人では続かなかったにちがいありません。

そんなわけでですね、話を無理やりまとめますと、どうやらこの種の本というのはアームチェアに揺られながら書くものではなく、編集者と手分けして探偵のように路地裏を走り回りながら、ハードボイルドの心意気で書くものらしいってことです。今とつぜん筆先からあらわれた「ハードボイルド」の文字に自分でもびっくり、というか、きょとんとしてますけど。まあ、いつもの勘違いかもしれないので、とりあえず読んでみてください。ご予約会場はこちらです。どうぞよろしくお願いします。サンキュー!