朝日新聞掲載の連作がリンクぎれのため、短縮版をブログに再掲。3月の作品だったので、4月に読むと少しひんやり気味です。
胸にフォークを(抄)
まかなひを分けあふ春や点滴庵
水ぬるむ日のあをいろを鳥に巻く
薄味のカタストロフを蝶に添へ
ごちさうの空に文庫をかざしけり
ふるふるとフラスコ揺する牡丹雪
のつけから渦巻くツバメ探偵社
霾(つちふる)や胸にフォークをしまふとき
くすぐると濃くなる囀(さへづり)も髯(ひげ)も
ぼんやりしていると食べ物のことばかり詠む癖があって、このときもそうだった様子。食べることは私にとって、ラブ・フレーバーな営為なんですよね。それでついつい。せっかくなので、きのうつくったお菓子の句も添えます。
ナフキンに蝶のひれふすスフレかな 夜景